剣道に対するまじめで一生懸命な姿勢は、稽古着や防具などの道具を大切にすることにもあらわれます。怪我などをしないためにも、精神を引き締める意味でも常に手入れの行き届いた道具で稽古に励みたいものです。
「剣道着」
剣道着は藍染めの関係上、購入直後は色落ちがすごく、下手をするとその後に逆に色あせする場合があります。再度染め直すことも出来ますが、「ほどほどに」する必要があります。
大抵の場合、購入して初めて着るときには、ぬるめの温度で洗うことが望ましいです。
(色止め効果のため)
剣道着の一般的な洗い方は次の通りです。
上着
10分程度の「洗い」
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15分弱の「すすぎ」
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たらい等に剣道着を浸す程度の水を入れ、その中に塩(食塩より、旧来の「あらじお」の
ほうがベター)を50から100g位入れ一晩浸けておきます
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再度「すすぎ」を15分弱します
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柔軟剤を多めに入れて5分程度浸します
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軽く脱水します(かけすぎると硬くなります)
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しわをのばして、陰干しします
(直射日光の下で乾かすと堅くなり、剣道着がもろくなります)
「袴」
袴の洗い方も基本的には同じですが、特に綿袴の場合、洗濯後はしわになりやすく、
ひだが消えてしまうと格好が良くないので、丁寧に干すことが必要です。
短時間の脱水後、きれいにひだをそろえ、二つ折りになるようにハンガー等にかけて、同じく陰干します。
(直射日光の下で乾かすと堅くなり、剣道着がもろくなります)
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乾いた後、アイロン等をかけて「ひだ」をきれいにするためには、直にかけてしまうと、アイロンの熱によって「てかり」が出てしまうため、布をあてるか、裏からかけてください。
注意:
・藍染めは、藍特有の強い殺菌力や、防虫効果、血止め、化膿止めなどの性質があり、洗いすぎないようにしましょう。
・洗濯機などによっては上のような洗濯方法は取れませんので手洗いがベターです。
・洗剤は少な目に。
・漂白剤入り洗剤や漂白剤は白の剣道着以外は使用不可。
・洗濯回数を重ねていても、洗濯するときは他の洗濯物とは一緒に洗わないようにしてください。一緒に洗濯していたものが染まってしまい、漂白剤など使用しても落せません。
「面」
面は冬場以外は、大抵、面自体が汗でびしょびしょになりますので、使用後は乾いた布等でふき取れるだけふき取って下さい。
衛生面で気になる方は、その後、殺菌用のアルコールを蒸留水で薄めた液、ファブリーズなどの消臭・殺菌スプレーまたは市販の面用スプレーを布に付けて拭いてください。
汗で濡れたまま放置しますと、カビ等が発生し、悪臭や皮膚炎等の原因になります。
その後、陰干しします(直射日光の下で乾かすと、剣道着以上に防具が堅くなり、もろくなってしまいます)なお、陰干しの際は、面金を上にして、突き垂(のどの部分)を他の部分より位置を高くして陰干しします。(面金を下にすると、汗等が突き垂にたまり、腐ったり、糸が切れたりします)
「甲手」
面と同様に、汗で濡れた部分をふき取って、陰干しします。なお、甲手では、手の内革の折りじわに注意して、濡れている状態の時に手の内のしわをのばして乾燥させてください。
「胴・垂」
胴や垂は、面や甲手のように、直接肌に接するものではないので、汗で濡れたり湿ったりしている部分をふき取って、陰干しします。どちらもやはり、革や布の部分はカビたりすることがありますので、しっかりとお手入れをしておくことが必要です。 |